アフリカの水の現状
飲料水源へのアクセスは1990年に76%でしたが2017年には世界の90%(68億人)に改善されています。一方、7.8億人の人が近く(30分以内)に飲料水源がなく、その半数はサブサハラアフリカに集中しています。
JIBUの解決策って何?
JIBUは安心・安全な飲み水を身近で手ごろな価格で提供するフランチャイズビジネスです。現在7か国で122店舗を展開、JIBUの水を販売する小売店等は2100以上(2020年10月)。毎日25万人以上もの人が利用しています。フランチャイズオーナーの女性比率は36%、JIBUによる雇用創出のうち55%を若年層が占めています。
JIBUが提供する「解決」とは身近に手ごろな価格の水・生活必需品の提供と、起業家・雇用創出です。
JIBUはマーケットの70%を占める中低所得層をターゲットとし、人口が集積する都市部で展開するビジネスモデルです。JIBUは水道水・地下水などを各店舗の浄化設備で浄化し、安全な飲料水20ℓを約200円前後で販売する地域分散モデルです。
JIBUは水を地域住民の生活向上の解決策の入り口と考えています。おかゆなどの健康食品の販売、クリーンエネルギーであるLPG販売も開始。店舗拡大で購買力を高め、手頃な価格で生活必需品を展開していく予定です。
また、JIBUはフランチャイズ展開することで、起業家を育成し、雇用を創出しています。フランチャイズ加盟には最低1500ドルの初期投資が必要ですが、オーナーは3~6か月で初期投資が回収可能なモデルで、既存オーナーで複数店舗を運営するオーナーも増えています。各フランチャイズ店舗では4-10人の雇用が創出され、地域の雇用創出に貢献しています。
JIBUはオーナー向けにマニュアルを整備し、充実した研修パッケージ、経営ノウハウを提供しています。オーナーは商圏・顧客分析や、販売データ分析などの経営ノウハウを習得します。JIBUは経営ノウハウなどを提供することで、売上げの一部をラインセンスフィーとして受け取っています。
JIBUの最近の成長
2019年に新規店舗数を伸ばしました(下のグラフの青の新規店舗数)。大きな要因は広域エリアを管轄するエリアマスターフランチャイズ(AMF)導入です。フランチャイズビジネスはスケールアップが鍵で、店舗開発とオーナー採用・育成、すなわち「立地と人」が大きなポイントです。AMFオーナーが管轄エリア内における店舗開発とオーナー採用を担い、エリア内での店舗拡大を行います。JIBUは広域エリアをAMFに委ねることで、新たなエリア開拓や新規商品開発に注力することができます。
JIBUはシステムでグローバルとローカルをつなぐ
CEOのGalenはJIBUを「システム、データビジネス」と言います。スワヒリ語で「To run is not necessarily to arrive」といったことわざがあるように、スピードに対する考え方は文化・場所で異なります。アフリカでのスピードをもった店舗拡大はチャレンジですが、スピードはフランチャイズビジネスの成功の鍵であるため、JIBUはシステム導入で成長を目指しています。
JIBUはグローバルに通用するフランチャイズのシステム・経営ノウハウを顧客データ等をもとに進化させ、そしてローカルの起業家であるAMF・フランチャイズオーナーが自らの商圏を分析し、顧客を囲い込むことで各エリアでの成功を目指しています。ウガンダの一部フランチャイズ店舗では、アフリカのAmazonと呼ばれるJumiaと提携し、60分以内でデリバリーという取組も始まっています。Jumuiaが提供するプラットフォームをオーナーがローカルで活用する、これもグローバルとローカルの組み合わせです。
東アフリカではフードのフランチャイズのトップ3であるSubway、MacDonald、Kentucky Fried Chicken(KFC)の進出はまだまだです。ルワンダではKFCが1店舗あるのみですが、JIBUは既に45店舗以上展開しています。商品幅、売上規模など全く異なりますが、JIBUはフランチャイズビジネスをどのように進化させていくのか。水、おかゆ、LPGなどと生活密着型のコンビニエンスストアに進化していくのか?また、起業家輩出のプラットフォームにもなりえるかもしれません。
AAICは運営するアフリカヘルスケアファンドから、2018年にJIBUに投資しています。投資、パートナーシップ、またJIBU展開国にお住まいで、サービスのユーザーとしてご興味があればご連絡ください。
(上記画像はJIBUホームページ、JIBU Newsletterより引用)
(ご参考)
2020年9月、JIBUはFT・IFCのTransformational Solutions In Urban Infrastructureで表彰されました。JIBUの身近に安心・安全な水を提供する分散型インフラモデルとフランチャイズによる起業家育成、雇用創出のモデルが評価されました。
文章:AAIC 半田
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