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タンザニアの新農園について~TANJA農園の歴史と、 Ngorongoro coffeeいよいよ日本上陸間近!

【TANJA農園の風景(の一端)[2024/5/19撮影]】

5月、タンザニアは雨季の終わりを迎えています。今年はアフリカ全体で雨量が多いため、まだ雲が厚く掛かる日もあります(少しは肌寒いくらいの気候です)。コーヒーの実も色づき始め、TANJA農園ではフライングピッキングが始まっています。

 

AAICグループOSTIが運営するTANJA農園は、2023年7月の開所式(※)を経て、在タンザニア日本大使館ならびに現地アル―シャ州知事に公認となり、現地で運営を進めています。

※2023年7月_開所式の様子
タンザニアの約1,760haの新農園にて開所式を実施しました – AAIC Holdings (aa-ic.com)

今回は農園周辺地域のコーヒーを巡る歴史や、農園取得までの経緯についてご紹介したいと思います。

そしてレポート下段では、今年4月に新設したOSTIのブランドサイトについてもご紹介します。こちらでは、TANJA のNgorongoro coffee(タンザニア産※現在、入荷待ち)、Rwanda Nut(ルワンダ産)を購入頂けます。ぜひ最後までお読み頂けましたら幸いです。

 

1.概要と場所の紹介

タンザニアは、コーヒーの産地として有名です。アフリカ最高峰の山の名前を冠する「キリマンジャロ・コーヒー」は、一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。そんなタンザニアの北部エリア・オルディアニ山の山腹に、我々が運営するコーヒー農園があります。

【写真:山の斜面にも雄大に広がるコーヒー農園】

ここは以下のような特徴を持つ地域です。

●エリアの特徴
・赤道直下(南緯3.3度)だが、高地(1,350~1,880m)のため、年中快適な気候
・属するアル―シャ州はタンザニアで2番目の大きさ。点在する各地サファリエリアへの結節点でもあり、また隣国ケニアとの貿易の要所としても活気のある都市。
・農園があるのは、そこから車で3時間ほどのオルディニア・カラツという村落地域。ここは世界遺産でありサファリでも有名な「ンゴロンゴロ保全地区」に隣接している。

ンゴロンゴロ自然保護区について:Ngorongoro Conservation Area Authority (NCAA)

 

【図:TANJA農園の場所】

 

2.コーヒー農園の歴史(タンザニア全体編)

タンザニアでのコーヒーの生産が始まったのはドイツ人の入植者達がきっかけでした。

古くは、タンザニア本土部は「タンガニーカ」と呼ばれていました。元々この地域では、タンザニアの北西部ビクトリア湖の湖畔の地域(現在のブコバ州)では、在来の「ロブスタ種」が栽培されていました。

19世紀末、タンガニーカはドイツの植民地となっていました。当時、西欧列強による帝国主義的な植民地の獲得という世界的潮流の中でドイツ領東アフリカの一部だったのです。そしてこのドイツ支配時代によって新たな品種として「アラビカ種」がタンガニーカに持ち込まれました。

当時の植民地経営には様々な課題がありました。労働力の確保の困難さ、植民地支配への抵抗(マジマジの抵抗)、コーヒー国際価格の下落、そして第1次世界大戦の勃発などです。これらにより植民地でのコーヒー栽培自体は当時のドイツに莫大な利益こそもたらさなかったものの、コーヒー栽培の技術とノウハウはタンガニーカ域内でゆっくりとひろがっていきました。

1919年第1次世界大戦後のパリ講和会議を経て、ドイツに替わりイギリスが委任統治領(後に信託統治領)としてタンガニーカを支配することとなりました。この間、コーヒーの栽培は主に小規模農家の間で拡大していきました。その理由は、イギリスが、ケニアでの直轄植民地とは異なり、タンガニーカでは比較的緩やかな間接的な方法で支配をしていたことにありました。

3.コーヒー農園の歴史(TANJA農園の近隣編)

こうした大きな歴史の中で、弊社TANJA農園が所在する地域のコーヒー農園は、また少し異なる発展を遂げてきました。

我々の農園があるオルディアニ山腹(現在のカラツ県周辺)では、ドイツの入植者が本国に戻らず引き続き農園の開墾を続けており、1920年代には現在のンゴロンゴロ保全地域の森の中に水源を見つけて灌漑施設を導入したことでコーヒー栽培が始まりました(後にドイツ人入植者達はタンザニアに帰化)。初期の開拓期には、約80世帯の入植者がコーヒー農園を経営していたと言われています。

その後、コーヒーの国際価格の度重なる下落、第2次大戦の勃発(1939~1945年)、厳しい自然とインフラ環境、タンガニーカの独立(1961年。1964年にザンジバルと連合を組みタンザニア連合共和国になった)、といった困難や変化にさらされながらも、コーヒーの栽培は脈々と継続されていきました。

現在オルディアニ山腹では土地の集約や所有者の交代などを経て約40農園が経営を続けています。それらの農園は、労働力を提供してくれる地域住民との良好な関係を維持しながら、ヨーロッパや日本などの消費地に良質なコーヒーを送り届けています。

※皆さんが普段飲まれているタンザニアコーヒーの中にも、この地域で生産されたコーヒーもあるかもしれません。

【写真:当時の入植者達の生活の様子】

 

4.歴史ある農園を継承、TANJA農園のはじまり

我々はこうした歴史をもつ地にあるコーヒー農園を、2023年引継ぎ、運営を始めました。
この農園に巡り合うまでは色々な経緯がありました。

ルワンダでのRwanda Nut社(AAICグループ)での事業が軌道に乗り始めた頃、東アフリカでのさらなる展開を目指し、タンザニアで新農園を探すことになりました。そこで2016年頃からタンザニア人のメンバーにも協力を仰ぎ、候補地探しを開始しました。

タンザニアから農地の売地情報が入る度に、検討メンバーが日本から渡航し現地視察、交渉…。しかし、当初は現地の商習慣や入札の方法なども手探りだったため、交渉は進みませんでした。、一時は「静観した方がよいのでは…」とも思われましたが、それでも辛抱強く候補地を探し続けました。そして、2021年後半、ンゴロンゴロ周辺で土地の売り出し情報を入手しました。何度か現地視察に向かい、当初の候補地では入札不成立だったものの、近隣で別の土地が売却予定との情報が入りました。

そこでさっそくオーナーを訪問。我々の事業について深く理解をして頂き、これまでの苦労とは一転、驚くほどスムーズに交渉を進めることができました。これが、現在我々が運営しているTANJA農園です。

【写真:オーナーの旧邸宅へと繋がるアプローチ。両脇の木は樹齢100年超という談】

5.開所式、66年ぶりの農園オーナー交代

我々が2023年から農園を引き継ぐことになりましたが、前オーナー一族は1957年から所有していましたので、66年ぶりのオーナー変更でした。これは、地域にとっても、ワーカー達にとってもかなり大きな変化です。我々は現地の様々なステークホルダーと円滑に事業を進めるために、まず関係性の礎を築くことが最重要と考えました。

そこで、2023年7月25日、現地の様々な関係者をお招きした「開所式」を開催致しました。

タンザニアの約1,760haの新農園にて開所式を実施しました – AAIC Holdings (aa-ic.com)

【写真:2023年7月25日開所式】

式典は、終始和やかな雰囲気の中で無事に終了致しました。単に手続きとして事業を継承するだけではなく、現場に足を運んで目線を共有することで、お互いにこれからの連携を約束する機会となりました。

6.探求のためのトライアルの日々

このTANJA農園は、標高が高く、コーヒー栽培に非常に適したエリアであり、事実良質なコーヒー豆が収穫できています。

しかし、さらに目標高く、品質の高いスペシャルティコーヒーを継続的に収穫し続けるためには、格闘すべき課題が山積しています。

例えば、コーヒーの品質を担保するために定植方法や収穫のタイミングを改善したり、深く多様な味わい引き出す加工方法を研究したり、現地ワーカー達に確実に赤く実ったコーヒーチェリーを採取するように周知・指導をしたり、野生動物との共存対策をしたり、、、。

さらに、ワーカー達の福利厚生の向上を目指すことも、みんなが安心してコーヒー農園で働き続けるために重要なポイントで、日々検討を重ねています。

【写真:コーヒー収穫、加工の様子】

7. Smart Village Project~様々なプロジェクトを検討中

この農園エリアでは、コーヒーだけにとどまらず、将来、色々な構想を検討しています。我々はこれを「Smart Village Project」と呼んでいます。例えば、コーヒーの加工場、カッピングセンター、ビジターセンター、新農作物の生産(アボカド、トマト、マカダミア)、カーボンニュートラル、学校、ロッジ、星空観測、、、。

その他、この地域を総合的に発展させるための工夫も進めています。

パートナー企業様のネットワークも広がりつつあり、様々なアイディアを共有しながら、日々新たな取組を実践しています。

●関連プレスリリース

OSTI・TOPPANデジタル・サグリ、 東アフリカでスマート農業実現に向けた実証を実施 (aa-ic.com)

OSTI社と凸版印刷、アフリカSmart Village Projectで協業 (aa-ic.com)

【写真:アボカドの苗木も試験栽培開始】

8.農園へご来訪頂いた方々からの溢れるアイディアも

この農園には、これまでにも既に多くの日本企業や投資家の方々にもお越し頂いております。ご来訪頂いた方々は、みなさま壮大な新農園に心を動かされ、プロジェクトを応援してくださいます。

併せて、毎回多くのアイディアをお話くださいます。

自社の技術やビジネスとの連携であったり、全く個人的な知見やスキル、経験から想像されたものであったり。。。(アグリテック、通信、農業、コーヒーの生産や販売方法、農家さんへの農法指導から住居エリアのエコシステム、インフラや子供たちへの教育制度について…etc.)。会議室の議論では決して出てこないような、柔軟で幅広く、未来を感じさせるアイディアがたくさんあります。毎回、アイディアの泉のようだと感じています。

きっと、農園の開放的な雰囲気が、未来の可能性を感じさせ、来訪者の方々を触発しているのではないか..、と思っております。この新農園が、自由に未来を描ける真っ白なキャンバスの役割も果たしうると考えます。

今後は、定期的な農園訪問ツアーも検討しております。ぜひ一度、農園にお越し頂き、みなさまから新たなアイディアを創出・共有頂ければ幸いです。

9.TANJAのNgrongoro coffeeがついに日本上陸間近!Rwanda Nutと併せて日本で購入可能に!

そして、そのTANJAのNgorongoro coffeeが、もう間もなく日本に到着致します!

4月にOSTIの新ブランドサイトもオープン、着々と準備を進めており、今後はオンラインでTANJA coffeeが購入頂けるようになります。
もちろん、先行して事業を始めているRwanda Nutの商品もこちらから購入頂けます。

【Ngorongoro coffee & Rwanda Nut】

●新ブランドサイト:https://www.ostiglobal.com/

●オンラインショップサイト(上記ブランドサイト内からもアクセス可):shop.ostiglobal.com

Ngorongoro coffeeが日本発売となった暁には、ぜひ、ぜひ、一度お手に取って頂き、コーヒーの香りと共に現地の歴史や風景を思い浮かべながら、味わって頂けますと幸いです。

現地メンバー共々、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

執筆・編集:OSTI・AAIC広報・IR戦略マネージャー 小郷智子

(執筆協力:椿進、小森英哉、溝内克之、美甘良夫、白取竜也、小澤真幸、原田桃子、笠井優雅、茅沼智幸、藤島里美:順不同)

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