AAIC|Asia Africa Investment & Consulting

ケニアで注目のアフォーダブルハウジング

以前の記事でナイロビ北部のEnaki Townなど、高所得層を対象にした不動産開発について紹介しましたが、今回は対照的に、低所得層から中所得層を対象にしたアフォーダブルハウジングについてご紹介したいと思います。日本でいうところの公団住宅です。今、アフリカでは建設ラッシュが起きています。

 

中国資本の大型住宅地Great Wall Gardens Phase5

最初に紹介するのは『Great Wall Gardens Phase5』。ナイロビCBDから20kmほど離れたAthi Riverにある15エーカーの大型住宅地です。部屋数は1128戸です。
Great wall Gardensはフェーズ1~5まであり、フェーズ1~5の総面積は45エーカーで部屋数は約3,300戸にものぼります。フェーズ1~3はフェーズ4~5から1kmほど離れた場所にあります。中にはモールや病院、小学校までもが併設されており、街から出なくても十分不自由のない生活が送られそうです。

Great wall gardensのデベロッパーはケニアの ERDEMANN PROPERTY LIMITED (“EPL”)、コンストラクターも同じくEPLです。
EPLは中国人投資家のMr. Zeyun Yangによって 2003年に設立され、設立時から4600件以上もの建設を手がけてきたそうです。
現在、Great wall gardensはフェーズ1~4まで完成しており、フェーズ5が建設の初期段階で竣工予定時期は2022年の12月です。
A-Zからなる24棟(1128戸)が建設予定で、そのうちの18棟が住居、6棟が住居&ショップの複合になるようです。ショップはスーパーから美容院まで、77店舗入るそうです。全ての棟が6階建てです。

分譲価格は、全ての部屋が3ベッドルームの104平米で290万シリング(プレビルド時)、完成後の購入で470万シリングになります。プレビルト時で平米単価約2.8万円(1シリング=1円で換算)程度です。賃貸だと月3万シリング、年間で36万シリングです。Great wall Gardens Phase5は現在1/5が売却済みだそうです。ちなみに、Great wall Gardens1-4は完売しています。

既に完成しているGreat wall Gardens Phase4の外観

Great wall Gardens Phase4だけでも一つの巨大な街みたいですね。もう既にちらほら人が住んでおり、各棟には簡易ですが10-15台ほど駐車場が備え付けられています。

各棟の内部

内部の様子です。各フロアに4部屋はいっています。

モデルルームの内部

最後にモデルルームを覗いてみたので紹介したいと思います。

間取りは、リビングが32平米、オープンキッチンが8.5平米。風呂&トイレが4.6平米、トイレのみが3.7平米。ベッドルームは3つあり、それぞれ10.6平米、10.4平米、16.9平米。廊下が4.2平米、ベランダが6.7平米、エントランスが6平米となっています。
リビングは広く奥行きがあり、キッチンは非常に簡素でコンロなどは見受けられません。他3つのベッドルームや風呂・トイレも十分な広さです。備え付けの家電は一切ない、スケルトンです(給湯システムはあります)。

Ruiruの大型住宅地 Rock Gardens Ruiru

次に紹介するのは「Rock Gardens Ruiru」。ナイロビCBDから25kmほど離れた Ruiruにある10エーカーのタウンハウスです。

デベロッパー、コンストラクター共にMahiga Homes(ケニアの大手不動産開発会社)です。

今年9月末に竣工予定

現在、建設はかなり終盤に差し掛かっているようで、竣工予定時期は2021年9月25日となっています。Rock Gardens Ruiruの建設費は1戸につき650万シリングです。
分譲価格は、全ての物件が3ベッドルームで124平米の戸建て(庭も含めると160平米)で550万シリング(プレビルド時)、完成後の購入で650-700万シリングです。78件のうち76件は既に売却済みだそうです。

モデルルームの内部

次にモデルルームも紹介したいと思います。

リビングやキッチンは非常に広く、床は大理石で出来ており、高級感があります。窓が多く、風通しがよく日当たりも良いですね。3つのベッドルームや風呂・トイレも十分な広さです。家の前には庭と駐車スペースがあります。
こちらもGreat Wall同様に備え付けの家電は殆どありませんが、給湯システムはBrazafric(ケニア)、シャワーはLorenzetti(ブラジル)です。
いかがでしたでしょうか?日本でも60~70年代に多摩ニュータウンや千里ニュータウンができましたが、まさにケニアも同じ時代を歩んでいることがよくわかります。当時の日本の一人当たりGDPは2,000~3,000ドル。ケニアはちょうど2,000ドルに突入したところです。アフォーダブルハウジング建設による住宅不足解消はケニアの主要政策の1つでもあります。
2022年12月竣工予定のGreat Gardens Phase5、今年9月末に竣工予定のRock Gardens Ruiruともに既に殆ど売約済みであり、ケニアにおけるアフォーダブルハウジングの需要の高さが伺えます。投資対象としても面白いかもしれません。
文章:AAICケニア 星野
(トップ画像 Vancouver Real Estate Project)

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