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アフリカの次にくる都市はどこか?

中国市場を開拓するとき、一級都市から二級都市にビジネス展開していくという戦略がよく言われました。上海、北京、深センを開拓したら、次は広州、天津、重慶、成都などに向かうという戦略です。
では、現在のアフリカの場合はどうでしょう? 現在のTier1都市(1級都市)は、カイロ、ナイロビ、ラゴス、ヨハネスブルグの4都市です。いずれも地域最大のGDPの国の最大都市であり、地域経済の中心です。最初はここを抑えるのは鉄板かと思います。

ここでは次に来る都市(Tier2都市)はどこでしょうか?、私見も含めてみていきたいと思います。
東アフリカだと、アジスアベバ(エチオピア)です。アフリカ2番目に多い1億人の人口の国の首都です。標高2300メートの高地にあるため、非常に涼しい気候です。
公団住宅の建設ラッシュや、高速道路に高速鉄道、都市のBTS環状線でできています。エチオピアの最大の注目点は、アジア型の経済発展モデルです。現在、トルコや中国・韓国から数百社の縫製工場が進出してきています。安価で豊富な人材を活かし、軽工業の輸出モデルで経済を発展させようとしています。その行く末が注目されます。他にも花卉の輸出でもアフリカ第2位で、バラなどを欧州に毎日出荷しています。
次はダルエスサラーム(タンザニア)です。タンザニアは人口5800万人でケニアよりも多く、天然資源も豊富で、土地も肥沃で恵まれた国です。キリマンジャロやセレンゲティ国立公園などの世界有数の観光資源ももっています。ナイロビに比べると、まだのんびりした感じがする都市ですが、政治のリーダーシップ次第で今後のポテンシャルは大きいと思います。
東でもう1つはキガリ(ルワンダ)です。人口1200万人の内陸国ですが、現在のカガメ大統領のもと、急速に経済発展を続けています。気候も良く、治安もいいので、外国人も多く駐在しています。アフリカの内陸の中心にあるので、その地域のハブになれれば大きな可能性があります。「実験国家」「アフリカのシンガポールを目指す」など、明確な方針があり、汚職も少なく、意思決定も早いため、実証事業をやるのには最適かと思います。
西アフリカだとアクラ(ガーナ)が人気です。英語が通じる、治安がいい、ということでJICAを含め日本企業も西の拠点として職員を多数おいています。政府もバランスがとれており、トップのリーダーシップ次第では、今後期待できる都市かと思います。
アビジャン(コートジボアール)も魅力です。もともと西アフリカのフランス植民地の本部があった都市で、フランス風のきれいな街並みが特徴です。内戦で停滞していましたが、現在は平穏を取り戻し、これからが期待される都市です。アフリカ開発銀行の本部もアビジャンにあります。
北ではカサブランカ(モロッコ)です。アフリカというより、欧州のリゾートという側面もあります。ショッピングモールや高級ブティック、高級レストランも多数あり先進国と変わらない生活もあります。
北のダークホースは、ハルツーム(スーダン)です。人口4200万人の国で、エジプトとイギリスの共同統治が続いていた国です。南スーダンの独立や、内戦が続いていましたが、2019年には暫定的な統治機構が合意され、新たな国づくりを目指しています。2020年12月にはテロ指定国家が解除され欧米企業が殺到しそうな雰囲気を感じております。もともとは、白ナイルと青ナイルが合流する肥沃な土地にあり、レベルの高い大学や、しっかりした民間企業も多数あり、今後が期待されます。
中央アフリカ地域ではルアンダ(アンゴラ)が非常に発展しています。石油が大量にでるため、中国が莫大な投資しています。1人当たりGDPも高く、病院などのレベルも高いです。ポルトガルの植民地であったため、ポルトガル語が公用語です。地理的にも言語的に近いため、ブラジルとの交流も盛んです。
最後の都市はキンシャサ(コンゴ民主共和国)です。政治も不安定で汚職指数もひどく、治安も悪いことで有名ですが、人口8700万、中期的には2億にもなるといわれている大国です。国の大半がジャングルですが、天然資源も豊富で、優れたリーダーが出てくれば、そのポテンシャルは大きいと思われます。日本企業とって難易度が高い国であることは間違いありません。
これらの都市が発展するかは、政治のリーダーシップ1つにかかっていると思います。私腹ではなく国を思ってしっかりやるリーダーがでてくるかだと思います。それを占うためにも、現地に行ってその熱気を感じてみて頂ければと思います。

文章:椿 進(AAIC Group 代表パートナー)

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