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ナイジェリアでドバイを作る!巨大開発プロジェクト Eko Atlanticの概要

人口2億人を誇る西アフリカの大国ナイジェリア。2050年には人口が倍増し4億人に達しインド、中国に次ぎ世界3位になると予想され、アフリカの中でも最も注目を浴びている国の一つです。大西洋に面する最大都市ラゴスは人口約2,000万人が集まり、エジプトのカイロと並んでアフリカ最大の都市です。ラゴスは地理的にはメインランドとアイランドに分けれ、アイランドのIkoyiやVictoria Islandと呼ばれるエリアが商業の中心地、富裕層の多くがここに居住しています。そのアイランドに隣接する形で大西洋を埋め立てて建設されている新しい都市。それが今回紹介するEko Atlantic(正式名称 Nigeria International Commerce City)です。

ナイジェリアで進む巨大開発プロジェクト Eko Atlantic

Eko Atlantic (公式HP: https://www.ekoatlantic.com)はナイジェリア最大級の企業グループであるChagoury Group傘下のSouth Energyx Nigeria Limitedによって開発が進められています。元々洪水が多発していたVictoria Islandの海岸線を強化するために始まったこのプロジェクト、とにかくスケールが大きいです。
・ 埋め立てエリアは約1,000ヘクタール。千代田区とほぼ同じサイズ。
・ 住宅の他、ホテル・商業施設・オフィス・教育施設・病院・会議場等の開発を計画(住宅は30万人が入居できるだけの戸数を建設予定)
・フリーゾーン指定地区(無税エリア)

現在60-70%程度の土地が埋め立て完了し、既に数棟のビルが着工、一部は竣工しています。土地については現状Chagoury Groupが自社開発用に所有している土地と外部投資家に売り出されている土地があります。既に現地の富豪などが抑えている土地もあります。また、米国領事館は既に5万㎡の土地を購入し、新たな領事館を建設するために既に動き始めております。更に米系5つ星ホテルチェーン進出の噂もあるなど米国の進出が盛んです。気になる土地の価格はエリアによって$1000/㎡から$3000/㎡程度。前述のIkoyiやVictoria Islandのプライムエリア同等かそれ以上、つまりラゴスで最も高い価格で売り出されています(ご興味のある方は是非ご連絡ください!)。

(出所: Eko Atlantic公式HP)

ナイジェリア有数の財閥Chagoury Groupとは?

ここで開発企業のChagoury Group(公式HP: http://chagourygroup.com)について簡単にご紹介します。Chagoury GroupはGilbert Chagoury氏と3歳年下のRonald Chagoury氏のレバノン系ナイジェリア人兄弟によって1971年に設立されました。小麦の製粉から始めた事業は瞬く間に成長し、現在では建設、ホテル運営、病院運営、グラス製造、水のボトリング・販売、通信など多角化に成功しています。一代でこの規模の企業グループを育て上げた手腕は凄まじいものです。私もRonald氏には何度かお会いしましたが、71歳となった今でも大変情熱に溢れ、ナイジェリアの未来について語る姿が大変印象に残っております。そんなナイジェリア有数の企業グループが2006年(埋め立て開始は2009年)に新たな事業として始めたのがEko Atlanticなのです。

(出所: World 2016年9月8日記事)

左からGilbert Chagoury氏、Bill Clinton氏(前米国大統領)、Ronald Chagoury氏
Chagoury GroupはClinton FoundationのドナーとしてBill Clinton氏と密接な関係を築いている

Chagoury GroupがEko Atlanticを通じて描く壮大な未来

Ronald氏によると、アフリカ中から人、モノ、金、情報が集まる都市(アフリカのドバイ)を目指しており、将来的には多国籍企業のアフリカ地域HQが集積するエリアにすることを画策しているようです。ラゴスの不動産市場の有識者も口を揃えて、「長期的には少なくとも西アフリカの中心地になることは間違いない」と発言しております。
ダイナミックに都市や経済が進化しているアフリカですが、これほどまでに大きな開発プロジェクトは間違いなくEko Atlantic以外にありません。ラストフロンティアと言われるアフリカの実力が垣間見れるプロジェクトの将来が楽しみで仕方ありません。

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文章:AAIC (ナイロビ)星野

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