AAIC Investment Pte. Ltd.(本社:シンガポール、代表:椿 進、以下「AAIC Investment」)が運営するアフリカのヘルスケア分野に特化した投資ファンド「Africa Innovation & Healthcare Fund II(以下、AHF2号)」を通じて、DeepEcho(本社:モロッコ、CEO:Youssef Bouyakhf)へ出資しました。
DeepEchoは、AIを搭載した胎児超音波解析プラットフォームを開発・提供しています。また、同社は、2025年6月に米国食品医薬品局(FDA)より510(k)※クリアランスを取得しました。自社のAIが臨床現場レベルで95%以上の認識精度を実現していると公表しており、熟練した医療従事者と同等の信頼性を備えていることを示しています。今回の認可により、米国市場での製品販売と導入が可能となるだけでなく、その技術の安全性と有効性が国際的に認められたことを意味します。今後、医療人材が不足するアフリカをはじめとするグローバルサウスにおける普及に向け、重要なマイルストーンとなります。
DeepEchoのAI技術は、胎児の頭部や腹部、羊水などの各部位を映した超音波画像をリアルタイムで自動的に認識・分類するもので、診断に必要な“標準ビュー”を瞬時に特定します。世界最大級の胎児超音波画像データを学習に活用しており、医師による診断の精度向上と作業の効率化に貢献しています。また、構造を明確に区別するセグメンテーション処理により、より標準化された解析が可能です。
同社は、Googleが主催するスタートアップアクセラレーター「AI First MENA & Turkey」にも選出されるなど、国際的にも高く評価されています。現在提供中の標準ビュー認識および自動解析機能に加え、次世代技術としては新たなバイオマーカーをAIで同定し、子癇前症(preeclampsia)などの複雑な妊娠合併症の早期予測を目指しています。これにより、早期の医療介入と母子の健康改善が期待されます。
さらに同社は、日系企業との連携機会も積極的に模索しており、2025年8月に横浜で開催されるTICAD(アフリカ開発会議)に合わせて、CEOの来日を予定しています。
デモ写真:同社提供
※510(k):米国食品医薬品局(FDA)が医療機器の販売を許可するための事前通知制度。Section 510(k) of the Food, Drug, and Cosmetic Act
【企業概要】
●DeepEcho
会社名:DeepEcho
本社所在地:モロッコ
代表者:Youssef Bouyakhf, Co-founder & CEO
URL:https://deepecho.io/
事業内容:Deepechoは、AIを活用した胎児超音波検査の支援ソリューションを開発。医療従事者が胎児の計測や異常検知を正確かつ効率的に行えるよう支援し、医療アクセスの課題解決を目指す。
●AAIC Investment
会社名:AAIC Investment Pte. Ltd.
本社所在地:シンガポール
代表者:椿 進
創業:2013年
URL:https://aaicinvestment.com
事業内容:AAICホールディングスのファンドマネジメント会社として、2013年にシンガポールで設立。2014年から日系企業のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の運営をサポート。2017年、日系初のアフリカに特化したファンド(アフリカヘルスケアファンド、AHF 1号)を設立、アフリカのヘルスケアセクターを中心に投資を実施。2022年にはアフリカ・イノベーション& ヘルスケアファンド(AHF 2号)を組成、2022年3月末にファースト・クローズ。両ファンドを通じた投資先は60社(2025年6月時点)。